伊丹十三の映画「お葬式」に出てきた冠婚葬祭の先生の様な方に案内され施設に入る。ここがこの宗派の総本山なのだそうだ。
”その一足”を踏み出したものの「ここから出る事が出来るのか?」そんな不安がよぎる。私が今何処に来ているのかを知る者はいない。携帯にはGPS機能も付いていない。 しかし...廊下天井に施された大きな壁画、万葉集をモチーフとした万葉欄間、白と金色のみを色彩に用いた七角堂内部や装飾品の絢爛豪華さと言ったら...。 資金力豊富な宗教団体とは、この様な事を言うのか。大を超越した大きさの大広間など各部屋を順繰りに案内してもらう。内部は迷子になりそうな位に広い。 さていよいよ目当てのブリティシュコロンビア館の木で出来た廊下の入口に着く。「ここがモミの木廊下と呼んでいる廊下です。」ブリティシュコロンビア館の木と言っても元から単なる木であるが故、加工されてしまえば更に単なる木である。入口に飾られた万博会場での姿を写す写真と絵がその経歴を物語っているのみ。 「”悩み苦しみのすべてが揉み取られてゆく廊下”それがモミの木廊下です。」なるほど!それ故の”モミの木廊下”。悩みや苦しみを揉みほぐしてくれる、いやモミ取ってくれる。ほぐすのでは無くモミ取っちゃってくれる。これぞ”幸せの廊下”ではないか。 廊下の先には金色の霊球が祭ってあった。入るのを許されたのは、廊下の入口まで。モミの木廊下の先に何があるのか、どうなっているのかは解らない。残念ながらモミの木廊下を歩く事は出来ず見るだけに留まった。悩みや苦しみは取ってもらえなかった。只この廊下を見ただけで少しほぐされた気にはなった。 伽藍がすべて完成したのは西暦2000年。大阪万博から30年。この木が何故、この場所にあり、廊下となったのか?解らないそうだ。只 この木が長い間この敷地内に転がっていた事は確かだそうだ。私の推測では信者の方から寄進された木ではないかと思う。 最初から廊下にする為だったのか、具体的にどこに使用するかは決まっていなかったのか?。それとも旧伽藍というのがあって既に廊下となっていたのか?女性の言う転がっていたは材木のままではなく、再利用する為に残しておいた木を意味するのか?もし30年寝かせておいたならば、まるで大阪万博30周年に合わせてくれたみたいなものだ。 「又機会があればお越しになって下さい。」。帰り際、小冊子を手渡しながら女性は言った。どうしてもモミの木廊下を渡りたいならば、悩み苦しみのすべてを揉み取って欲しければ、更に廊下の木の由来を深く調べたいならば...入信するしかない訳だ。 内部の写真撮影は不可の為、その絢爛豪華な姿を拙い文章でお伝えするのは困難だったが最近になりこの寺院のサイトが出来た。その中の伽藍ギャラリーに入って行くと樅(モミ)の木廊下を見る事が出来る。その両端に飾られたパネルも注目して欲しい。 ギャラリーには樅の木廊方面としてあるのでモミの木廊下の向こうには樅の木廊と言う場所があるのだろう。入口の装飾も他とは違い更に豪華になっている。きっと特別な場所に違いない。そこへ導く廊下に用いられた万博遺産。此処にもモミの木は残っていた。サイト内には”幸せ上手のエチケット”なるコーナーもある。これも”関西幸せ探しの旅”の幸せつながり。 ブリティシュコロンビア館の木で作られた廊下のある寺院のサイトはこちら。
by banpakutantei
| 2009-10-18 14:36
| 万国博
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Comments(2)
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by
FZIRO
at 2009-10-19 07:22
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なるほど、こういう展開なんで「幸せ探し」だったんですね!
寺院のサイトでその廊下の写真見ましたが、廊下そのものより 入り口両サイドのパネルの方がはるかに有り難く思える私は やはり幸せには縁遠いんでしょうか?(爆 当時会場で、ブリティッシュコロンビア館のあの材木の上には登ったんですが、 その感触を今、味わうなら、例の喫茶店の方がいいんでしょうねぇ…。
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banpakutantei at 2009-10-19 22:59
FZIROさん こんにちは
そうなんです。あのパネルあっての廊下なんです。 私にとって万博の事を考えてる時が幸せなんです。 万博の事を探して歩いているので幸せ探しと言うことでしょうか。 あの寺院にはあの木がいかに貴重なものであるか解ってらっしゃる 方がいるのだと思います。
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