タワー解体から早幾年月。跡地に来れば勿体無い感が衰えないばかりか増してくる。何故?の疑問詞でいっぱいになる。
跡地には相変わらずヤノベケンジ氏の作品の一部が置かれている。これは03年に行われたヤノベケンジ展メガロマニアで発表された解体されてしまったエキスポタワーの部材を使い製作された「タワーオブライフ」という作品のキャビンのパネル部分。
タワーのボールジョイントやエレベーターのパネルも展覧会の時は使用されていたので一部と言う表現をするがこのパネルが置かれている場所こそがキャビンが33年の時を経て地上に降りて来た場所とされている。
キャビン降臨に併せタワー前の
ゴミ箱の上に立つヤノベ氏。ピカチュースーツの中で「熟れきった果実が地上に落ちてきた」と感じたという。果実はこの場所から再び生命の塔として天空に延びていく筈なんだが..その気配は無い。ヤノベ氏のDVD内では氏自らがドライバーを持ちエレベーターホールのパネルやタワー案内図を取り外すシーンも映っているのだが、嬉しそうな顔に見えたのは気のせいか。
氏の作品の原点となったとも言われる大阪万博会場の解体シーンをオーバーラップさせていたのであろうか?まさか?解体の時を待っていたとは思いたくないが...ゴミ箱の上に立つ黄色の着ぐるみの中の氏の表情をうかがう事は出来なかった。
写真手前が、かすかに四角く色が違っているのがお分かりになるだろうか?ここには以前”
メガロマニア ヤノベケンジ”とアルファベットで刻まれた石碑が置かれていた。これはいつの間にか消えてしまったのだが、石碑が取り除かれた部分には”ペンペン”と言う名の草が天空に伸びようとしていた。