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さすらいの交通博物館。

さすらいの交通博物館。_d0065737_2350643.jpgおととい閉館してしまった東京交通博物館。敢えて東京と付けるのは大阪で交通博物館と言うとこちらを指すそうだからである。

ニュースでも大きく取上げられた。初めて行った小学生の時の事や息子が小さい頃連れて行った等々、幾つかの思い出があるが私にとっての交通博物館の強烈な印象は約二十数前の事...

学生の頃、歩いて山手線を一周するサークルの伝統行事があった。季節で言うと丁度今頃。土曜日の夕方、新宿を出発し内回り(渋谷~東京~上野~池袋)方向に山手線を歩き日曜の朝、新宿に戻って来るというコース。

確か距離は40キロくらい。電車だと約一時間で廻るところを約12時間以上かけて歩くのだ。これをこの時期三週間連続で3回、四年間で12回も歩いた。

同じサークルで15回歩いた人間を3人知っているので12回という数字(これには真っ当な理由があるが書くと長いので省く)を自慢する気は無いが一体、何を好き好んで12回も...何を好き好んで15回も...最初は東京をあまり知らない時期で街と街は点でしかなかった。それを線でつなげて歩くのだ。

東京駅で日付けが変わったと思う。コンビニなど殆ど無かった時代。ネオンも無い深夜のビジネス街を集団で黙々と歩く。あー未だ半分か。

次の休憩は上野。それ程疲れは無かったが、いい加減飽きてきた。とその時、目の前に現れたのがD51と新幹線の頭が付いた建物。付いたと言うよりも、建物から頭を突き出している様にも見えた。深夜の薄暗い闇に浮かび上がった両巨頭。それは、結構不気味でもあった。

な、何だ?これは!と辺りを見れば..ああ..交通博物館だったのか..(小学生の頃来た)交通博物館ってここにあったんだ...こんなの入り口にあったっけ?それ以来、毎度この場所を通過する度に深夜の新幹線の頭を見上げるのが楽しみになったのだった。

それが私にとっての交通博物館の一番の思い出。不気味な新幹線に見とれている間にいつも置いていかれてしまい深夜の東京を追いかけるのだった。頭に流れるは”太陽にほえろ!追跡?のテーマ”。
by banpakutantei | 2006-05-17 02:13 | 東京 | Comments(0)


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